ギアについて
鉄道模型で動力を伝達する際には、ほとんどの場合、ギアのお世話になります。
ウォームギア
鉄道模型の場合、モータから車輪に動力を伝えるのにウォームギアを使うのがほとんどです。
このギアは、ねじれたギア歯を有するウォームギアと、それに対応した角度の付いたウォームホイールの組み合わせで使われます。
1段で大きな減速比を得られる事、それによりギアスペースが少なくて済む事、回転方向を垂直に曲げられる事の理由から、鉄道模型で多く用いられていると思います。
しかし、必ずしも良いことばかりではなく、ギア効率が悪いこと、車輪の側から回転させる事ができないといった欠点もあります。
コースティングギア
ウォームギアの車輪の側から回転できない欠点を無くしたのがコースティングギアです。
コースティングギアには色々種類があるようですが、写真のはスパイクモデル製のものです。
一見、ウォームギアと変りはありません。
このギアの大きな特徴は、ウォームのねじれ角度です。
ウォームギアをできるだけ細くし、2条にする事で、ねじれ角を約23°にしてあります。
こうすることによって、車輪の側からモータ軸を回せるようになります。
実際に使用する場合は、モータとギアのカプリングがうまく調整されていないと、車輪を回すのに大きなトルクが必要となり、機関車を手で引っ張ても動輪は回らない事があります。
また、動輪径が大きい程、軽く回す事ができます。(テコの原理)
ヘリカルギア
ウォームギアのねじれ角を45°にするとヘリカルギアになります。
写真は、エンドウのMPギア(機関車用)に使われているものです。
残念ながらこのギアでは減速はほとんどできません。
しかし、回転方向を垂直に曲げると言う点で優れたギアです。
回転方向を垂直に曲げるギアとしては、「かさ歯車(ベベルギア)」や「クラウンギア」が有名です。
しかし、どちらもギアの歯の噛み合わせに精度が要求されたり、片側で軸を受けなければならなかったりして、扱いが難しいのが欠点です。
ヘリカルギアは、ウォームギアと同程度の扱えます。
大きな欠点は、HOクラスで使えるような大きさのギアが単品で市販されていない事です。
その他
必ずしも鉄道模型に使えるとは限りませんが、標準ギアというのがギアメーカから販売されています。
標準ギアのメーカとしては、
協育歯車工業株式会社 (営業部 TEL 048-754-5842)
小原歯車工業株式会社
(TEL 048-255-4871)
等があります。
戻る
森井 義博 (morii yoshihiro)
mory@morii.jp