PEMのプラ貨車の走りを良くする
PEMのプラスチック製貨車は価格が安いので貨車列車を作るのに向いているのですが、ちょっと走りが良くありません。そこで、足周りの改造を行ってみました。
改造は以下の3点です。
- 車輪のピボット化
- 3点支持化
- 車重を重くする
この改造理由については稲葉さんとこに記述があります。
- この改造に関しては、モデルワーゲンの車輪を使用した以外は、稲葉さんの改造と同じです。
- PEMの貨車の軸受けはすべて車体に固定されており、4点支持となっています。そのため、線路にねじれがあった場合、1つの車輪は線路から浮き上がってしまいます。
もし、フランジの高さ(HOn3-1/2の場合0.5mm)よりも車輪が浮き上がった場合、脱線することになります。
それを回避するには軸受けが上下できるようになっていれば良いのです。ところが、前後両方の軸受けに上下動を許してしまうと、上に乗っている車体が揺れてしまいます。
そこで、一方の軸受けは車体に固定したままで、もう一方の軸受けに上下動を与えます。但し、上下動する軸受けでも車体を支えなければいけませんので、軸受けの中央で車体を支え、そこを支点として、車輪が上下に動けるようにします。
つまり、一方の軸受けは2点、他方は1点で支持するので3点支持ということになります。
- モデルワーゲンの車輪とフクシマの軸受けメタルを使ってピボット化を行った場合、PEMの真鍮板製軸受けに軸受けメタルを押し込んでしまうと車軸が1mmばかり短すぎます。
つまり、軸受けメタルは元の軸受けよりも左右各0.5mmだけ内側に取り付けるとちょうど良い寸法となります。
2点支持側の軸受けは、0.5mm厚のワッシャを入れて元の軸受けに軸受けメタルを取り付けています。
一方の1点支持の軸受けは、この0.5mmの隙間に入って上下する内側軸受けを作りました。
t0.4の真鍮板を元の軸受けのちょうど内側に入るように穴開け、切断し、曲げます。また、止めねじの入る場所も開けておきます。
そして、軸受けの中心の位置前後2ヶ所に打ち出しリベットみたいに、ポンチで押し出します。これが、車体を支える支点になります。
元の軸受けの側は、2.5mmの長穴(長さは3.5mm位)を開けます。
内側の軸受けに軸受けメタルを固定し、軸受けメタルが内側の軸受けよりはみ出した部分を元の軸受けの長穴に入れます。
これで、軸受けの中心を支点に上下する軸受けの出来上がりです。
なお、元の軸受けはちょっと内側に曲がりすぎているようなので、ちゃんと曲げなおしておかないと、内側の軸受けがスムーズに動かないかもしれません。
加工の終わった軸受けを車体に取り付けるのですが、内側軸受けの動きのじゃまにならないように左右一体となったブレーキシューを切り離して取り付けなければいけません。
- PEMの貨車は他社の金属製貨車と比べると軽いため、一緒に連結すると脱線しやすいのが問題となります。解決策は各車輌の重量を揃える事なのですが、重いのは軽くできませんので軽いのを重くします。
といっても、有蓋車の場合は、中が見えませんので適当な重りを積めば良いだけです。
一方、無蓋車の場合は、積み荷を乗せてそれを重り代わりにするということが考えられます。
今回私が行った方法は、t1.0の真鍮板を床板に見せるという方法です。
まず、軸受けを止めるねじを短く切って、プラの床板から先が出ないようにします。
貨車の内形にちょうど入る大きさに真鍮板を切ります。そして、その真鍮板に2mm間隔で筋を付けていきます。木の床板に見せかけるためです。
その真鍮板を塗装し、貨車に押し込めば終わりです。
これだけで、17gのトラ40000が36gになりました。ちなみに、乗工社のトム5000は41g、モデルワムのトラ35000は52gです。
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森井 義博 (morii yoshihiro)
mory@morii.jp